従来、転職活動においては資格など、明確に評価できる「ハードスキル」が有利とされてきました。しかし、最近ではコミュニケーション能力やリーダーシップなど、人間性に焦点をあてた「ソフトスキル」が重視されるようになってきています。
今回は、ソフトスキルが具体的にどのような能力を指すのか、ハードスキルとの違いや、どのようなシーンで求められるのかをご紹介します。ソフトスキルを身につける方法も紹介しますので、キャリアアップを目指す際にお役立てください。
目次
ソフトスキルの必要性や、ハードスキルとの両立について
近年、グローバル化を受け刻一刻と変化するビジネスシーンにおいて、ソフトスキルの必要性が高まっています。ビジネスパーソンの業務が評価される指標は、主にスキルや処理能力など業務の進行や効率性により定められます。
しかし、最近ではそのひとり人間性に着目をした「ソフトスキル」を重視する企業も増えつつあります。ソフトスキルとはどのようなものなのか、具体的に説明をしていきます。ソフトスキルとは、目に見えない定性的なスキルのことを指します。
そのため、ひとつの基準に基づいて定義することが非常に難しいとされているスキルでもあります。一例をあげると、コミュニケーション能力や協調性、リーダーシップ力などがあげられ、個人の特性によりスキルの高さが決まります。
ビジネスにおいては、業務における評価基準が明確なハードスキルと合わせて、ソフトスキルも必要とされています。
現代のビジネスパーソンに必要なのは、ソフトスキルとハードスキル、どちらといえるのでしょう?まずは、ソフトスキルとハードスキルの違いから見ていきましょう。
ソフトスキルとハードスキルの違い
ソフトスキルとハードスキルは、評価の基準が明確であるかという点で異なるといえます。 ビジネスにおけるハードスキルとは、評価基準が明確なスキルを指します。
具体的には、TOEICのスコアや弁護士・会計士などの資格、大学や大学院の学位などが該当します。
一方、ソフトスキルは定性的なスキルで、明確な評価の基準が存在しません。コミュニケーション能力やリーダーシップ、ファシリテーションスキル、問題解決能力など、内面的な性質に根づいたスキルを指します。
ソフトスキルとハードスキルどちらも大切
ソフトスキルとハードスキルは、どちらも保有していることがビジネスパーソンとして望ましいです。 専門的な知識や技術といったハードスキルは、仕事で成果を上げるため、直接的な武器となるものです。ハードスキルとは、過去の学びや業務のなかで習得したスキルを指します。
たとえば、語学力や学位・資格などの客観的に評価が可能なスキルなどがあげられます。両者とも、キャリアアップを目指す際や適職を見つける際に、欠かせないスキルであることは間違いありません。
しかし、ハードスキルがいくら高くても、ソフトスキルがないと、成果につなげていくことが難しいです。 例えば、あるプロジェクトチームを統率するリーダーが、技術面で高度なスキルを保有していたとしても、コミュニケーション能力が皆無であった場合、プロジェクトを成功させるのが困難になってしまいます。
ハードスキルとソフトスキルを合わせて活用し、ビジネスを前進させていくことが大切です。ハードスキルとは、過去の学びや業務のなかで習得したスキルを指します。たとえば、語学力や学位、資格などの客観的に評価が可能なスキルなどがあげられます。両者とも、キャリアアップを目指す際や適職を見つける際に、欠かせないスキルであることは間違いありません。
ソフトスキルの種類
ソフトスキルと一言でいっても、種類はさまざまです。今回は、代表的なソフトスキルをピックアップしてご紹介します。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、ビジネスを円滑に進めるために非常に重要なスキルといえます。 コミュニケーションスキルとは、相手の話をよく聞き、意図を的確にくみ取ることができる能力や、自分の考えをわかりやすく正確に伝えることができる能力のことを指します。情報収集面や発信においても活躍します。
コミュニケーションスキルは、仕事を円滑に進める上で必要です。
企業側からも社員に向けて、コミュニケーションスキルアップに関するサポートや取り組みを実施する必要があります。コミュニケーションのスキルアップが与える仕事へのメリットと社内で取り組めるコミュニケーションスキルアップの方法を解説します。
会議やプレゼンテーション、クライアントの電話・メール対応のほか、オフィスにおける上司・部下との日常会話など、さまざまなビジネスシーンで必要とされるスキルであるといえます。
リーダーシップスキル
リーダーシップスキルとは、プロジェクト全体を見渡し、効率的かつきめ細やかに物事を進めていく力のことです。たとえば、メンバーひとり一人の能力や特性を把握し、全員が最大限に力を発揮できるよう調整するようなことがあげられます。働いているとリーダーシップを発揮しなくてはならない場面があります。
リーダーシップを発揮する際に必要なスキルを持っていると、チームを上手くまとめ目標を達成することも可能となります。 リーダーシップスキルがあれば、上司やチーム内のメンバーと意識をともにして、一人ひとりの能力を引き出しながらプロジェクトを進行することが可能となります。リーダーシップスキルはビジネスにおいて、限られたリソースで結果を出すために必要とされる能力といえます。
自発性
ソフトスキルにおける自発性は、上司などの指示を待って動くのではなく、自らが考えて行動できるスキルのことを指します。 ビジネスで重要視されるソフトスキルのひとつに、自発性が挙げられます。ビジネスの現場では、自分で考えて行動することが求められるシーンが多く、とくに中途採用で入社した場合などは、入社早々に即戦力として求められることも多いです。
自発性とは上司や先輩からの指示をただ待つのではなく、みずから判断し行動することができる力のことです。特に外資系企業では、採用後すぐに即戦力として扱われ、最低限の指示のもと自分の裁量で仕事を進めることが求められる場合があります。 自発的に動くということは、自身でリスクを負うことにほかならないです。ビジネスにおいては、時に責任を負いながらも業務を遂行できる人材が重宝されます。
柔軟性
ものごとに対して柔軟に対応する能力も、ソフトスキルに含まれます。あらゆる場面において、状況に応じルールや規定にとらわれすぎずに行動する力が求められます。刻一刻と変化するビジネスシーンにおいて、その場その場の状況に合わせて最も適切な判断を下す為、柔軟性は非常に大切です。 予期せぬトラブルや業務に支障が出た場合、また、新しいメンバーが加わった場合などに発揮されます。
急なトラブルや変化が起きても、ルールや規則にとらわれすぎず、物事を解決していける柔軟性がある人物であれば、企業は安心してプロジェクトを任せることができます。柔軟性というソフトスキルは、企業の円滑な経営を支えるためには、欠かせないスキルといえます。
自己管理力
ソフトスキルには自己管理力も含まれます。ビジネスのシーンでは普段の何気ない業務のなかでも求められる能力です。自己管理力は、「ここまでならいつまでにできそう」「自分ならこの範囲までは進められる」というような判断を自身でおこなうなど自分自身の能力やキャパシティをきちんと把握できていることが前提です。
課題解決能力
ビジネスパーソンに求められるソフトスキルとして課題解決能力も重要です。さまざまなトラブルに直面することがあります。 危機管理への取り組みをしっかり行っていたとしてもスピードを優先した結果、トラブルが起こってしまう場合もあります。トラブルが起きた場合も落ち着いて的確な判断ができる能力は、どの組織に属していても求められるスキルです。
状況を迅速に把握し、行動をとることは決して簡単なことではないため、日常からトラブルとその対処法を意識することが大切です。そのようなときに課題解決能力に長けていれば事態の解決に向けて迅速に判断を下し、的確な行動をとることができます。
ソフトスキルを身につけるメリット
ソフトスキルを身につけるとどのようなメリットが得られるのか、詳しく解説していきます。
ソフトスキルを身につけることで、円滑なマネジメントをすることが可能になります。マネジメントをする際は、部下であるメンバーたちの様子を細かく把握し適切にコミュニケーションをとることが重要です。ひとり一人のスキルや特性、キャリアビジョンを把握し、個々人にあったマネジメントをおこなえるようになります。
ソフトスキルが求められるシーン
続いては、ソフトスキルが求められるビジネスシーンをご紹介します。
それぞれのシーンに合わせて、どのようなソフトスキルが求められるのかも見ていきましょう。
外資系企業での勤務
ソフトスキルを重要視する外資系企業に多い傾向があります。外資系企業の最新の市場動向を把握し、どのような人材が求められるのかなど、幅広い情報を有しています。ビジネスパーソンの業務が評価される指標は、主にスキルや処理能力など業務の進行や効率性により定められます。
しかし、最近ではそのひとり人間性に着目をした「ソフトスキル」を重視する企業も増えつつあります。ソフトスキルとはどのようなものなのか、具体的に説明をしていきます。外資系企業では、立場や役職にかかわらず、自分の意見を主張することが必要になるときがあります。
例えば、会議においては、参加者はアイディアを出したり、積極的に発言したりすることが求められます。相手の話を聞いて、的確な意見を述べるためには、自発性や柔軟性といったソフトスキルが欠かせないといえます。
管理職としてマネジメントを行う際
管理職としてマネジメントを行う上で社員が質の高い仕事をできる環境を作る為には、コミュニケーションスキルが欠かせません。部下の様子に気を配り、きめ細かなコミュニケーションを行うことで、最大限のパフォーマンスを発揮させ、結果にコミットすることができます。
プロジェクトチームを統率するとき
自らがリーダーとなりプロジェクトやチームを統率する際にもソフトスキルは役立ちます。プロジェクトチームを統率して成功に導く為、リーダーシップスキルは重要な要素となります。プロジェクトチームを統率するにあたっては上司との合意形成やメンバーとの意思疎通を通してチームをまとめ上げる力が必要です。
また、自身の業務だけでなく、チームで起きている変化に敏感に気づくといった「洞察力」も、プロジェクトを円滑に進める上で役立つソフトスキルといえます。 チームをまとめあげ、全員が同じゴールに向かっていくためにも、ソフトスキルは必要不可欠といえます。
自己啓発本を読む
ソフトスキルを習得するためのインプットとして自己啓発本を読む方法もあげられます。もちろん、全てがすぐに行動に転換できるものばかりとは限りませんが、知識として頭に入れておくことで発揮すべき時に行動に繋げやすくなります。古書や哲学書などにも、ソフトスキルに訴えかける内容のものもあるので積極的に手に取ってみてください。
色々な人とコミュニケーションを取る
コミュニケーション力を高めるためにも、社内社外問わず色々な人とコミュニケーションを取るようにしてください。コミュニケーションの方法も、対話・メール・チャットや電話など多岐に渡ります。どのコミュニケーション方法が自分に合っているのかを知るためにも、積極的にコミュニケーションツールを活用してみてください。
新しいプロジェクトにチャレンジをする
自身のスキルを向上させるためにも、居心地のいい環境から一歩踏みだし、チャレンジをすることが大切です。たとえば、会社で新たに設立されたプロジェクトにチャレンジをすることで、柔軟性や課題解決力、チームワーク力など複数のソフトスキルを養うことができます。チャレンジするにあたって自発的に申し出る力も必要になります。
ソフトスキルを身につけるには上司や先輩にアドバイスをもらおう
ハードスキルは、勉強や訓練によって体系的に身につけることができます。ソフトスキルは、自分ひとりで考えていても、なかなか行動に繋げれ無い点があります。それでは、ソフトスキルはどのようにして身につけたら良いのでしょうか?
ソフトスキルを身につける方法のひとつに、周囲にいるメンバーをしっかりと観察することがあげられます。人それぞれ個性が違うように、持っているソフトスキルも異なるものです。人によっては、個人で業務を進めているときにスキルを発揮したり、複数人と接しているときに発揮したりするなど、異なる場面でスキルを発揮することがある為、プロセスも併せてチェックします。
ソフトスキルを習得するには自分より社会人としての経験が豊富な上司や先輩にアドバイスをもらうのが効果的です。社内の対人関係やトラブル時の対応など、ソフトスキルに関することで、どのような点に気をつけているのかを聞いてみてください。
大切なビジネスマナーやクライアントとの信頼関係の築き方などソフトスキルを磨くためのさまざまなヒントをもらえるはずです。ソフトスキルは人間力ともいわれビジネスパーソンの新しい評価指標として注目を浴び始めています。
特に、外資系企業を目指した転職活動においては、仕事を円滑に進められるソフトスキルを持っていると有利になるといえます。ソフトスキルを取得するためには、周囲の人のスキルを参考にすることや、アドバイスをもらうことが有効です。普段から、ソフトスキルの取得を意識したコミュニケーションをとるようにするといいです。
書籍・本
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出典:エンジニアリング組織論への招待~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
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