
マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローによって考案された人間の欲求を5段階のピラミッド構造で表す心理学理論です。



の五段階に分けることができ、それぞれの欲求が積み重なって1つのピラミッドを構成しています。


生理的欲求



これは生きて行くのに必要な本能的な欲求を指しています。現代の日本人はこの段階に留まっている人はほとんどいないと言っても過言ではないレベルです。最も原始的な欲求と言っても良いです。
安全欲求



これは病気や事故に対して安全を確保したいという欲求です。本来は子供の時に表れて、大人になると薄れて行きます。これは余談ですが、人も動物も赤ちゃんが可愛いのは、可愛さを使い、親に面倒を見てもらう事によって安全を確保するというのが自然界の法則として働いているからです。
社会的欲求



ここまで来ると成長過程では少し大人の部類に入ります。友人、家庭、会社などの集団へ属することや愛情を求めるのがこの欲求です。自分に愛情を向けて欲しいとかで怒ったり、いわゆるメンヘラと言われるタイプの人はこの段階にいることが多いです。孤独や社会的不安を感じ易くなり鬱になるケースもあります。
承認欲求



この段階は大きく分けると低次の欲求の他者承認欲求と高次の欲求の自己承認欲求という二つに分かれます。
- 他者承認欲求
- 自己承認欲求
自己実現欲求
自身の人生観や世界観を元に自分のあるべき姿になりたいと願うのがこの欲求です。そのために自己啓発に努め、自分の可能性を探り、創造性を生み出すことが出来る様になるのがこの段階です。新たな価値観や周りでやっていない発想を表現し新しいものを生み出せるので、今までの欲求とは根本的に違うと言われています。ここに到達できる人はほんのわずかです。
マズローの5段階欲求と企業の組織風土



ここからは企業とマズローの関連性について説明して行きたいと思います。マズローの5段階欲求の考え方は、企業の組織の風土づくりにも影響があります。





また、理念が浸透していても、従業員の欲求が満たされておらず、不満ばかりが募ってしまっている状態では、どこかで無理が生じてしまいます。組織の風土を見直すためには、この5段階欲求について、自分たちの立ち位置・状態を確認しておくことが大切です。ここでは、マズローの5段階欲求を活用した私たちパラドックスの考える風土づくりについてご説明します。



以前にインナーブランディングについて詳しく書いてる記事があります。


低次の欲求から順番に[br-xs]満たしていくことが大事
まずは、従業員一人ひとりが自分自身の安心・安全を感じ、社会的欲求(=帰属欲求)を満たす環境の中で信頼感が持てていることが重要です。[br-xs]この環境が整わなければ、他人のことまで気を配ることはできず、人のアドバイスなどを受け入れる状態になりません。これは「心のコップ理論」と言われ、下を向いたコップに水が入らないことと同じで、むやみに「企業理念だ!」といっても受け入れてもらうことができません。
組織の風土作りに大きく関わる①~④を満たす取り組み
先程の項目でもお伝えした通り、組織の風土づくりにはマズローの欲求5段階説の①〜④の部分が大きく関連しています。それぞれの欲求段階に応じた取り組みを行うことで、次のステップに進むことができます。まずは、自分たちの組織が①〜④のどこにいるのかを知り、その段階に合わせた風土づくりに取り組んでください。
生理的欲求を満たす為の取り組み
人間の生命活動にも関わる生理的欲求は、組織の中では食事や睡眠が大きく影響します。例えば、残業で長く働くことが評価される環境ではなく、メリハリをつけて働く取り組みに対して褒められる雰囲気を定着させるなど、健康を守る取り組みによって生理的欲求を満たすことにつながります。食事と睡眠をしっかりとる呼びかけだけでなく、理念の中に社員の心と体の健康を守る言葉を入れることで、社員がお互いに呼びかける行動も風土づくりでは大切です。
安全の欲求を満たす為の取り組み



マズローの欲求の中では、物理的な安心や安全にフォーカスしていますが、組織としての秩序やわかりやすい制度による安心感も重要になります。


例えば、手前味噌ではありますが、私たちパラドックス(逆説)では、理念を実行している人が評価される仕組みがあり、評価シートも理念をもとにわかりやすく項目立てられていることが特徴です。パラドックスの使命である「志の実現に貢献する」という言葉を分解して、必要な姿勢やスキルを細かく項目に分け、それらを満たしているかで評価が決まります。このような評価方法を取ることで上司による評価に個人差が出ることがなく、納得度の高い評価ができます。
社会的欲求を満たす為の取り組み
承認欲求を満たす為の取り組み
パラドックスでは、自分の強みややりたいことといった自己分析の結果を組織内で共有し、互いに強みを活かし合う方法を考えたり、日報の中で各記事に対して上司部下関係なく、互いに承認や応援を送り合ったりする制度を導入します。そのときにも、企業理念の中のこのスピリット(精神・情熱・根性)を実践できている。など理念に沿った褒めを心がけており、企業の推奨する行動と個人の行動の接点を感じるようにします。また、メンバーのことを褒め合うことで、お互いの成長になり生産性の向上にもつながります。ここまでお話してきたように、会社全体で欲求を満たす為の取り組みを行えます。
組織と個人のミッション・ビジョンに重なりがあることが大切である
ここまでマズローの欲求5段階説と風土づくりについてご紹介してきましたが、まずは組織の立ち位置を把握することが大切です。忘れてはいけないことは、マズローの欲求5段階説は、下の階層から満たしていくことが前提でいきなり高次の欲求から満たそうとせず、一つずつ丁寧に進めていくことで、最高位の「自己実現」に辿り着くことができます。自己実現の欲求は、組織のミッション・ビジョンと個人のミッション・ビジョンが同じ方向を向いていることが大切になります。同じ方向を向くためには、①〜④のレベルを順番に満たし、従業員の心のコップが上を向いている状態を作り出すことが重要です。
書籍・本
この本で書かれているのは「若者の貧困の現状」です。ワーキングプアに陥る原因や住居問題など、貧困に苦しむ人なら誰にしも「そうそう、それなんだよ!」って身を乗り出したくなる惨状が、統計データとともに示されています。
アドラー心理学の入門書と言える、ベストセラー書籍です。
「俺は俺で、世間に何を言われようと関係ない!」等と鼻息を荒くして世間の荒波に漕ぎ出した後、難破して岸に漂流して打ちひしがれている時に読むと抜群のヒントを与えてくれるのが、この一冊です。肩ひじの張った小難しい論文チックじゃなくて、例えば「なぜ既読スルーがいけないのか」など俗間的でわかりやすいケースを用いて説明している部分もありますので、あまり構えずに手に取って頂きたいなと存じます。
「自分探しに疲れちゃった」「人の顔色を伺う卑しい自分が嫌い」こんな風に常日頃から悩んでいる人に、空が晴れ渡るようなヒントを与えてくれるのがこの書籍です。「分人」という新しい単語を用いて、真の自分などいなく、全てを足して1になるというような考え方を示してくれます。
池上彰さんが「何も知らないことを前提に」あけすけに児童養護施設の代表者に色々な質問を投げかけます。そこから浮かび上がる子供たちの貧困の痛切な現実を知る事ができます。これを読む事で、いかに自分が恵まれているのかを実感することになりますし、また、このような子供たちを一人でも減らす為に社会をどうしていけば良いかに想いを馳せざるを得なくなる一冊です。